彦根城博物館 特別公開「煎茶-文雅清遊のいとなみ-」のお知らせ

2017年5月13日 更新

彦根城博物館にて「煎茶-文雅清遊のいとなみ-」が特別公開されますのでお知らせします。

 煎茶は、現代人がよく飲む茶の一つであり、日常生活の中で、大変親しみ深い存在です。元来は、その名の通り、茶葉を煮出して作る煎じ茶でしたが、長い歴史の中で、製造と飲用の方法に工夫が加えられ、茶葉に湯を投じて作る現在の方法が主流となりました。
 
 そもそも煎茶は、江戸時代初期に、中国・明から来日し、日本の黄檗宗を開いた隠元隆琦(1592~1673)によって伝えられたとされています。その後、売茶翁(1675~1763)をはじめとする黄檗僧によって広められました。その広まりの中で、煎茶を入れてふるまうという行為は、千利休をはじめとする茶人たちが大成した、抹茶をふるまう茶の湯の影響を受け、一層の洗練をみることとなります。そして、江戸時代中頃には「煎茶道」が成立し、以後、日本の伝統的な芸道の一つとなりました。日本にもたらされた当初、煎茶は、中国の最先端の文化として、憧れをもって受け入れられたのでしょう。世俗を離れて詩を詠み、書画を制作し、文雅な遊びを楽しむことを理想とした文人達を中心に、大いに流行することとなりました。その流行は大名家にも及び、彦根藩井伊家12代直亮(1794~1850)や13代直弼(1815~60)も、煎茶を嗜んだことが知られています。特に直亮は、彦根の槻御殿内に煎茶室を造営したことでも知られます。

 煎茶においては、茶の湯同様、その味を楽しむだけでなく、道具の形態の美しさや、取り合わせの妙を愛でるということも重要視されました。一方で、茶の湯とは異なる自由な作法や道具立てに、煎茶ならではの特色があります。煎茶道具は、茶の湯と比較すると全体に小ぶりで、種類も独自のものが多く見られます。中で火を起こす涼炉、湯を沸かす湯瓶、茶葉に湯を注いで茶を淹れる急須、茶葉を入れておく茶心壺、清浄な水を入れる水注、使った水を流し入れる建水、炭を入れる烏府、これらを収納する器局や茶碗を載せる盆なども用意されました。

 本展では、井伊家伝来品を中心に、彦根の旧家に伝来した急須や煎茶碗、水注など、煎茶道具の優品を紹介し、併せて、煎茶席の飾りにふさわしい文雅な趣のある書画や文房具などを展示します。






期間

平成29年(2017年)5月19日(金)~6月20日(火)

8:30 ~17:00まで(※入場は16:30まで)

※会期中無休

場所

彦根城博物館 展示室1

観覧料

大人:500円(450円) 小・中学生:250円(170円)

(  )内は30名以上の団体割引料金

*彦根城・玄宮園・開国記念館とのセット料金は

大人:1500円(1350円) 小・中学生:550円(450円)

*常設展「“ほんもの”との出会い」も併せてご覧いただけます。

関連事業

ギャラリートーク

日時
平成29年(2017年)5月20日(土) 11:00~11:30、14:00~14:30
*いずれも同内容
場所
当館展示室1
その他
観覧料が必要です。
担当
彦根城博物館 学芸員
申込み
不要(※直接会場にお越しください。)