彦根城博物館企画展のお知らせ

2020年7月12日 更新

彦根城博物館にて企画展「拵-井伊家伝来刀装選-」が開催されますのでお知らせします。

 刀剣を収める鞘や柄、鐔などの外装を拵または刀装と呼びます。本来は、刀剣を携行するための実用的な道具ですが、古来さまざまな装飾が施されてきました。武器を金や銀、玉などで煌びやかに飾り付けることは、所有者の権威を示す行為の1つでもあります。また時には、神仏に捧げる品としてふさわしい荘厳を施す意味も持っていました。刀装の装飾は、時代が下るにつれてその技法が豊かになっていきます。江戸時代の大名家では、登城用の正式拵や儀仗用の太刀拵など、公的な場で用いる必要不可欠な拵のほか、漆芸や彫金などの技術の粋を集めた拵が制作されました。彦根藩井伊家伝来の拵にも技巧を凝らした数々の作品が見られ、その数は120 件にのぼり、特にこの一群で注目される特徴は豊富な種類の鞘塗です。
 漆を使って鞘を装飾する歴史は古く、その始まりは奈良時代にまで遡ります。初めは黒漆塗や金銀粉を使った蒔絵による装飾が主流でしたが、南北朝時代には鮫皮を巻いて研ぎ出した鞘が作られ、桃山時代には色漆や漆塗と金属板を合わせた加飾などが行われるようになりました。そして江戸時代を迎えると、表面を滑らかに仕上げずに敢えて凹凸をつけて文様としたり、植物の樹皮や実、動物の角、裂など多様な素材を組み合わせた漆塗が盛んになりました。こうした漆塗の技法を変わり塗といい、井伊家の拵は、そのバリエーションに富み、高度な制作技術がうかがえる全国的にも希少な存在として知られています。
 江戸時代は鞘の装飾のみならず、柄や鞘にあしらう金具類の表現にも大きな展開が見られます。特に注目されるのが、京や江戸を中心に活動した刀装具の専門工です。彼らは、高彫や鋤彫などの彫金技法や地金と異なる金属を接着する色絵などによって、限られた画面の中に繊細な文様を表す一方、大胆な構図を用いて、多彩な作品を次々に生みだしました。井伊家伝来の拵の中にも、当時活躍した金工師の面々の作品を目にすることができます。
 本展では、当館が所蔵する井伊家伝来の拵の中から厳選した名品を公開するとともに、所有者や拵が調えられた時期、制作に携わった金工師などを載せた古文書を併せて紹介します。卓越した漆塗と彫金の表現はもちろん、その制作背景や拵を巡るさまざまな人物にもご注目ください。





期間

令和2年(2020 年)7月17 日(金)~8月18日(火)

8:30 ~17:00まで(※入場は16:30まで)

※会期中無休

場所

彦根城博物館 展示室1




観覧料

大人:500円(450円) 小・中学生:250円(170円)

(  )内は30名以上の団体割引料金

※常設展「“ほんもの”との出会い」も併せてご覧いただけます。


関連事業

展示解説

期日
令和2年(2020年)8月1日(土) 14:00~(※受付は13:30~)
場所
彦根城博物館 講堂
定員
25名(※当日先着順)
費用
無料(※ただし、展示室への入室には観覧料が必要です。)
担当
彦根城博物館 学芸員

 

彦根城博物館

〒522-0061 滋賀県彦根市金亀町1-1
TEL: 0749-22-6100
FAX: 0749-22-6520
http://hikone-castle-museum.jp/