彦根城博物館企画展のお知らせ

2020年9月14日 更新

彦根城博物館にて企画展「彦根藩井伊家と能楽」が開催されますので、お知らせします。

 能楽は、日本の伝統芸能である能と狂言の総称です。近世以前には、猿楽あるいは単に能の語が用いられました。
 江戸時代、幕府は能を式楽(公的な行事で行う楽舞)と定め、五座(観世・金春・宝生・金剛・喜多)の能役者を召し抱えて保護し、諸藩もこれにならって盛んに能を行いました。彦根藩井伊家も例外ではなく、役者を召し抱え、藩の行事などで、特に江戸時代後期に頻繁に能を催していたことが分かっています。
 井伊家と能の関わりの内、早い例として確認できるのは、初代直政(1561~1602)が徳川家康を、2代直孝(1590~1659)が将軍世子である徳川家綱を、それぞれ自邸に迎えて能を催したというものです。初めて能役者を召し抱えたと考えられるのは、4代直興(1656~1717)の時で、喜多流を中心に55人を定雇いとし、これがきっかけとなって藩内では喜多流の能が浸透していきました。この役者の多くは直興の隠居後に解雇され、以降、一時的に演能の記録は見られなくなるものの、8代直定(1702~1760)の代になると増加しはじめ、急速に能への関心が高まっていった様子が窺えます。そして、10代直幸(1731~1789)が、彦根城表御殿での正月の行事として松
囃子を定例化し、歴代の中でも特に能を愛好した11代直中(1766~1831)が、喜多流宗家の甥をはじめとする多くの役者を召し抱え、さらに、寛政12年(1800)に表御殿に能舞台を建設したことにより、彦根藩における能楽は最盛期を迎えます。以後、先祖の遠忌や藩主の家督相続、彦根への入部、還暦などの年賀といった行事における能が、表御殿の舞台において行われました。直中はまた、隠居後の住まいとした彦根下屋敷である槻御殿にも舞台を作り、頻繁に能を催しています。直中の跡を継いだ12代直亮(1794~1850)も、金剛流の能役者や大蔵流の狂言役者を新たに召し抱え、13代直弼(1815~1860)も、能や狂言を自作したことが知られています。また、天保3年(1832)6月以降には、江戸上屋敷にも舞台が作られました。
 彦根藩において、能の中心的な担い手となったのはお抱えの能役者です。これに加えて、能に長じた藩士や、藩が城下の町人の中から任じた町役者など、多くの素人役者も動員して能が行われており、時には藩主や藩主の子弟が加わることもありました。また、演能に必要な面や装束、小道具も多数所有していたことが、道具帳から判明します。
 本展は、彦根藩井伊家と能楽の関わりについて、その全体像を紹介する初めての展示です。演能や能役者召し抱えの記録、能舞台の絵図、道具帳といった古文書に加え、井伊家に縁のある県内所在の能面などを通して、彦根藩井伊家において能楽がどのように受容されたのかを紹介します。





期間

令和2年(2020年)9月18日(金)~10月19日(月)

8:30 ~17:00まで(※入場は16:30まで)

※会期中は無休

場所

彦根城博物館 展示室1


観覧料

大人:500円(450円) 小・中学生:250円(170円)

(  )内は30名以上の団体割引料金

※常設展「“ほんもの”との出会い」も併せてご覧いただけます。


関連事業

展示解説

期日
令和2年(2020年)9月20日(日) 14:00~(※受付は13:30~)
約40分の解説
場所
彦根城博物館 講堂
定員
25名(※当日先着順)
費用
無料(※ただし、展示室への入室には観覧料が必要です。)
担当
彦根城博物館 学芸員

彦根城博物館

〒522-0061 滋賀県彦根市金亀町1-1
TEL: 0749-22-6100
FAX: 0749-22-6520
http://hikone-castle-museum.jp/