彦根城博物館特集展⽰のお知らせ

2021年4月11日 更新

彦根城博物館にて特集展示「井伊家と近代彦根」が開催されますので、お知らせします。

 このたび彦根城博物館では、5 年に及ぶ井伊家近代文書の調査を完了しました。井伊家近代文書とは、旧彦根藩主井伊家に伝わる古文書のうち、明治5 年(1872)以降のもの18,306点を指します。これら井伊家近代文書は、明治時代以降の井伊家や彦根の歴史を知る上で非常に重要な資料です。本展は、調査完了を記念し、その成果の一部を公開するものです。
 江戸時代、彦根藩領を治めた大名であった井伊家当主は、明治4 年の廃藩置県の後、東京に本拠を移し、華族としての生活を始めました。最後の彦根藩主であった井伊直憲は、明治5 年から6 年にかけてアメリカやイギリス、フランスなどに遊学し、西洋社会を体験するなど、新しい時代の中で活動を始めました。同9 年には、政府の華士族への給禄廃止にともなう歳入の激減により、直憲自らが家の事務を取り仕切ることを決定します。
 井伊家当主が東京に移った後、彦根では松原(彦根市松原町)にあった旧彦根藩下屋や敷(お浜御殿)に千松館が置かれ、井伊家の別邸として、また、井伊家の彦根における家政機関としての機能を持ちました。千松館には、井伊家が彦根近辺に所有する土地や、江戸時代から伝わる大名道具、彦根近辺の井伊家にゆかりのある社寺の維持・管理等の役割があり、これらに関する多くの資料が井伊家近代文書のうちに遺されています。直憲の息子である直忠が当主となった明治35 年(1902)以降は、千松館の家職が記した職務日誌や家計を記録する収支伝票など、様々な事務文書の形式が整えられていき、千松館が家政機関として整備されていく様子が窺えます。また、普段は東京で暮らしていた直忠は、彦根に来た際、多くの人からの挨拶を受け、様々な物品の献上を受けるなど、旧藩主として地域の人々と多くの交流を持っています。直忠自らが演じる能を井伊神社(彦根市古沢町)で催すこともありました。
 井伊家は家の財産管理等の他に、彦根の経済や教育に関わる様々な活動を行いました。その一つが彦根製糸場の経営です。この近代的な製糸工場は当初は県営でしたが、後に井伊家が県から買い取り経営に当たりました。他にも、共立学校(後の彦根中学校、現在の彦根東高校)の設立に資金を提供し、旧彦根藩領出身の学生に奨学金を貸すなど、様々な分野で地域に貢献しました。また、井伊家は旧藩士とともに、13 代直弼の名誉を回復するべく、直弼の銅像建設をはじめ、直弼の顕彰活動に力を注いでいます。
 平成30 年度に企画展「彦根製糸場-近代化の先駆け-」を開催し、調査の途中成果を公開しましたが、本展はその他の井伊家近代文書を初めて本格的に公開するものです。近代井伊家のあり方を、時代を追いながらみていくとともに、近代彦根における諸活動を紹介することにより、多彩な内容を持つ井伊家近代文書の魅力に触れていただきたく思います。





期間

令和3年(2021年)4月15日(木)~6月14日(月)

8:30 ~17:00まで(※入場は16:30まで)

※6月8日(火)は休館

場所

彦根城博物館 展示室6


観覧料

大人:500円(450円) 小・中学生:250円(170円)

(  )内は30名以上の団体割引料金

※常設展「“ほんもの”との出会い」も併せてご覧いただけます。


関連事業

スライドトーク

期日
令和3年(2021年)4月18日(日) 14:00~(※受付は13:30~)
約30分の解説
場所
彦根城博物館 講堂
定員
35名(※当日先着順)
費用
無料(※ただし、展示室への入室には観覧料が必要です。)
担当
彦根城博物館 学芸員

関連講座・演題:「井伊家文書にみる井伊家と教育」および「彦根招魂社の設立と井伊家」

期日
令和3年(2021年)4月24日(土) 13:30~16:00
場所
彦根城博物館 講堂
定員
35名(※当日先着順)
費用
資料代:100円(※展示室への入室には観覧料が必要です。)
担当
彦根城博物館 学芸員

 

彦根城博物館

〒522-0061 滋賀県彦根市金亀町1-1
TEL: 0749-22-6100
FAX: 0749-22-6520
http://hikone-castle-museum.jp/