彦根城博物館テーマ展のお知らせ

2021年12月23日 更新

彦根城博物館にてテーマ展「老いを言祝ぐ―能の世界から―」が開催されますのでお知らせします。

 古来、多くの年を重ねた人を、単なる人間ではない人間を超えた存在とみなす考えが、広くありました。日本においても、老人は、長年にわたって培われた豊富な知識や経験を持つ年長者として尊ばれるとともに、強い生命力を備え、人々の願望である長寿を体現した、めでたい存在と考えられてきました。また、人智や寿命を超えた神に近い存在ともされ、記紀神話や『今昔物語』などの説話集、寺社の縁起などには、土地の守神である地主神、あるいは仏が、老夫や老女の姿で現れるエピソードを多く見ることができます。このような長寿を象徴するめでたい存在、神に近い聖なる存在としての老人のイメージは、時代を通じて受け継がれ、美術、芸能、文芸などのさまざまな媒体において表されてきました。
 能には、老体の神や精霊を主役とするさまざまな演目があり、その中には祝言性の高いものが多く見られます。その一つが、主に正月や祝賀などに際して上演される「翁」です。「翁」は、能が大成する以前の古い芸能を受け継いだ、能の根本とされる演目です。老体の神である主役の翁と、これに続いて登場する同じく老体の神である三番叟が、天下泰平、国土安穏、五穀豊穣を祈念して舞を舞い、世を言祝ぎます。柔和な笑みを浮かべた白色尉の面をかけて荘厳に舞う翁、日に焼けた老夫を連想させる黒色尉の面で躍動的に舞う三番叟の姿には、世を治め、福をもたらす聖なる存在としての老翁のイメージが、最も端的に表れているといえるでしょう。
 老体の神や精霊が主役の演目の代表といえるのが、長寿と夫婦和合を象徴する演目として大いに親しまれた「高砂」です。また、「白髭」や「大社」などの、老体の神が登場し治世を祝う演目のほか、不老長寿を祝う「枕慈童(菊慈童)」なども、長寿に関係するめでたい演目といえます。
 本展では、長寿や聖性の象徴というめでたい老人のイメージを反映した、祝言性の高い演目を通して、祝うべき老いの姿を紹介します。憂いのない、言祝ぎに満ちた老いの世界を御覧ください。





期間

令和4年(2022年)1月1日(土・祝)~2月2日(水)

8:30 ~17:00まで(※入場は16:30まで)

※1月5日(水)は休館

場所

彦根城博物館 展示室1


観覧料

大人:500円(450円) 小・中学生:250円(170円)

(  )内は30名以上の団体割引料金

※常設展「“ほんもの”との出会い」も併せてご覧いただけます。

※1月6日(木)~2月2日(水)は一部休室のため、一般:300円、小・中学生:150円。


関連事業

①スライドトーク

期日
令和4年(2022年)1月8日(土) 14:00~(※受付は13:30~)
約30分の解説
場所
彦根城博物館 講堂
定員
35名(※当日先着順)
費用
無料
(※展示室への入室には観覧料が必要です。)
担当
彦根城博物館 学芸員



②講座

テーマ
「能にみる老いの世界」
期日
令和4年(2022年)1月15日(土)  14:00~(※13:30より受付開始)
※約90分の講座
講師
彦根城博物館 学芸員
場所
彦根城博物館 講堂
定員
35人(※当日先着順)
費用
資料代:100円
彦根市内の小中学生は無料
(※展示室への入室には観覧料が必要です。)



※新型コロナウイルス感染症の拡大防止により、展示および関連事業が変更または中止となる場合があります。最新の情報は、彦根城博物館ホームページ等でご覧ください。

彦根城博物館

〒522-0061 滋賀県彦根市金亀町1-1
TEL: 0749-22-6100
FAX: 0749-22-6520
http://hikone-castle-museum.jp/