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旧彦根藩足軽組屋敷 善利組・椿居家住宅

椿居家住宅は、旧芹橋14丁目に位置しています。「御城下惣絵図」には間口4間半、奥行き10間の敷地として記されていますが、この後に南隣の屋敷を与えられ、間口10間となって現在にいたっています。

 すでに芹橋2丁目地区において、6件の足軽組屋敷が彦根市指定文化財に指定されています。これら足軽組屋敷の所有者について、足軽の出自としての系譜がたどれるものは、吉居家住宅の1軒でありましたが、本件の椿居家住宅についても、天保7年(1836年)に彦根藩の普請方により作成された「御城下惣絵図」に、「椿居紋右衛門」の名前が記載されています。また、通りに沿った家の当主の名前を、並び順に横帳に列記した天明元年(1781年)の「三拾七組家並帳」等の5冊の「家並帳」にも、一貫して「椿居」姓の当主名が確認できます。このことから、少なくとも天明元年(1781年)の段階から「椿居」姓の家の系譜をたどることができ、これは史料の乏しい足軽の家および屋敷を考える上で貴重な事例であるといえます。
 主屋は、間口が3間、奥行きが4間半の切妻造り下屋付き・桟瓦葺となっています。また、主屋西側は、梁間3間半として、縁の庇を取り込んで入母屋造りとしています。
 間取りは「ざしき」「げんかん」「なんど」「だいどこ」、表通り側に土間が設けられている典型的な足軽組屋敷の平面形を持っています。
 主屋の入口は、道路から木戸門を入り、右手に折れた平側にあり、平面構成は、入口の土間から左に「げんかん」、奥に6畳の「ざしき」の接客空間、「げんかん」右手に4畳半の「だいどこ」と3畳の「なんど」といった日常空間となっています。また、「なんど」の奥には、大正期に増築された5畳半の居室があります。
 近年、彦根藩ゆかりの足軽組屋敷は日を追って減少しています。この地区は、彦根の城下町として重要であり、地区内に残る数少ない歴史的建造物と街並みの保存・修景を含めた早急な対策が望まれます。椿居家住宅は、出自の系譜をたどることができる事例であり、若干の改造はあるものの、江戸時代の善利組足軽屋敷の姿を良好に留めており、今後の善利組足軽屋敷の保存と活用に大きく寄与する歴史的建造物です。


※外観のみで、内観は非公開となっております。

旧彦根藩足軽組屋敷 善利組・椿居家住宅

滋賀県彦根市芹橋